「よだまりえは、僕がかつて教えていた美大の学生で、今もそこに通っている。
新入生の頃から知っていたのに、ピアノを弾きながら歌をうたってることを知らされたのは、ずいぶん経ってからのことだった。
おずおずと差し出された、たった2曲が入ったCDRを聴いてみて、驚いた。
そこにはおおらかでやさしく、それでいてベトつかない爽やかさと凛とした強さを持った音楽があった。
こんな言い方は陳腐かもだけど、本物の歌い手がここにいる、そう確信した。
この子はこれから何があろうと、生きてるあいだ、ずっとこうして歌っていくんだろう、そう思えた。
それからゆっくりと時間をかけて、ここにこうして一枚のデビューアルバムが出来上がった。
多くの耳に届くといいと思っている。
このシンプルきわまりない音楽の中には、疑いようもなく、普遍的な輝きがある。」 ―― 佐々木敦