ジェフ・パーカー『ザ・リラティヴス』
トータスのメンバー中、唯一のジャズ畑出身者で、AACM(Association for the Advancement of Creative Musicians)のメンバーでもあるジェフ・パーカーが通算2作目(スリル・ジョッキーからは初)となるリーダー・アルバムをリリース。
2003年にシカゴの老舗ジャズ&ブルース・レーベル、デルマークからリリースされた初のリーダー作『ライク・コーピング』から約2年振り。前作に比べるとジャズマナーは幾分控えめで、マーヴィン・ゲイのカヴァーに象徴されるように70年代のソウル・ジャズ風とも言える非常にソング・オリエンテッドな作品となった。
メンバーは80年代半ばのバークリーの学生時代からの朋友、クリス・ロペス、1991年からの付き合いとなるシカゴ・アンダーグラウンドの同僚、チャド・テイラー、そして2002年のギグで共演して以来の仲のサム・バーシシートとジェフの4人。シカゴ・アンダーグラウンド・オーケストラという名のもとに 1995年にスタートしたミュージシャン達の新たな関係性を引き継ぐこのカルテットの演奏は、スリリングかつ感動的で、美しくリラックスしたメロディを見事に演出している。
前作同様、トータスの同僚のジョン・マッケンタイアが彼の所有するスタジオ、SOMAにて録音とミックスを担当。
ソングライターとしてアイソトープ217の同僚、マシュー・ラックスも参加。
●日本盤のみボーナス・トラック2曲収録
(ディレクションズ・イン・ミュージック/グレイ・マーケット・グッズ/プルマンのバンディ・ケン・ブラウンとタウン・アンド・カントリーのジョシュ・エイブラムスによるリミックス)
Jeff Parker profile
高校卒業後、ジャズをアカデミックに勉強する為にボストンのバークリー音大に進学。アントニオ・ハート(as)やロイ・ハイグローヴ (tp)と週末ごとに2年間ライヴを行っていた。
大学中退後、1991年にシカゴに移り住み、そこでチャド・テイラー(dr)と出会う。1992年にはAACMのアーネスト・ドーキンス(sax)率いる New Horizons Ensembleに参加。1995年にロブ・マズレク(cor)とシカゴ・アンダーグラウンド・オーケストラを結成。同時期にファイヴ・スタイルで共演したジョニー・ハーンドン、アップタイティーで共演したダン・ビットニー等とともに、アイソトープ217をスタート。以前よりゲストとしてライヴやレコーディングにも参加していたトータスに、1998年作の『TNT』より正式加入。
2003年には初のリーダー作『ライク・コーピング』を発売している。レスター・ボウイやフレッド・アンダーソンといったAACMの重鎮は勿論、マルサリス兄弟や学生時代からの付き合いとなるジョシュア・レッドマン(ts)のようなメインストリームのジャズ・ミュージシャンとも共演を重ねている。
1. ISTANBUL 3:22
by Chad Taylor
2. MANNERISMS 6:03
by Jeff Parker
3. SEA CHANGE 3:27
by Chris Lopes
4. WHEN DID YOU STOP LOVING ME, WHEN DID I STOP LOVING YOU 6:24
by Marvin Gaye
5. BEANSTALK 3:21
by Chris Lopes
6. THE RELATIVE 5:55
by Jeff Parker and Matthew Lux
7. TOY BOAT 4:57
by Chris Lopes
8. RANG (for Michael Zerang) 6:57
by Jeff Parker
9. WHERE'D YOU GET THOSE? 5:47
mix by Reminder (Josh Abrams)
10. SEA CHANGE (VICISSITUDE VERSION) 4:41
mix by Ken Brown
total time 51:23
※TRACKS 9 & 10 … 日本盤のみのボーナス・トラック