
2013年の飴屋法水とのコラボレーションライブや、前作『Maki・K』では「どついたるねん」のメンバーや嶺川貴子らのゲスト参加が話題になるなど、近年はジャンルを超えたアーティストと多数共演も重ねる加藤麻季のソロ・ユニットMARK。
その時々でも独特のセンスは確固として持ち続けるMARKによる5thフル・アルバムが完成。
本作は、先行して自主リリースしたシングル『フィンセント・ファン・ゴッホさん』から始まった、ファンの間には既にお馴染みである「世界の偉人シリーズ」の集大成となる。
サウンドとしては、ピアノやクラシックギターの弾き語りスタイルを基調にし(一部バンド編成のアレンジもある)、MARKの持ち味にしてきた多重録音感こそ控えめだが、全面的に深くリバーブがかかった浮遊感のあるボーカルが魅力的。 これまでに無くシンプルなアレンジが施されることにより、繰り返し聴けば聴くほどMARKの鮮烈な歌詞世界に引き込まれる。
普遍性がありつつも研ぎ澄まされたソングライティングも効いた、他を寄せ付けない圧倒的な傑作となった。
ミックスは本作でもドラム演奏で参加し、MARKの過去作やライブに深く関わり続けている中尾勘二(NRQ / かえる目 / コンポステラ)とMARKとの共同作業によって行われた。
マスタリングは坂本慎太郎やOGRE YOU ASSHOLEのエンジニアリングを手掛ける中村宗一郎(PEACE MUSIC)が担当。
ジャケット写真は前作に引き続き、雑誌「ele-king」など音楽誌やカルチャー誌で活動するフォトグラファー・小原泰広による撮りおろし。
デザインは雑誌「FADER」や豊田道倫の作品を長年に渡って手掛ける山田拓矢が担当し、また新しいMARKの一面を印象づけるビジュアルに仕上がった。